DVやモラハラを”治す”ことは、本当にできると思いますか?
「夫のDVやモラハラを治したら幸せに暮らせる」というカウンセリングをたまに見かけるますが、私はDVやモラハラを治すことはほぼ不可能だと思っています。
そのカウンセリングのほとんどが、被害者である私たちの言動や行動次第で彼らを変えられるという内容のものばかりです。
被害者のせいでDVやモラハラをするという感覚が、絶対におかしい!
DVやモラハラは、被害者が原因ではない!
私もDV、モラハラの被害者ですので、彼らの怖さはよくわかっています。
暴れる相手を見て、意味不明なことを言う相手を見て、私は何度も自分を責めました。彼がこうなる理由は自分にあるのだと。私が彼を怒らせているのだと。
本気でそう考えていました。
でも、自分が悪いと思いながらも、その理由はさっぱりわかりませんでした。
今思い出しても元夫がなぜあんなに怒っていたのか、わからないことがたくさんあります。
彼らは、弱い者いじめしかできません。
DVやモラハラのをする人たちは、私たち被害者にやってきた数々の暴力を正当化します。
すべての責任はおまえにある。
呪文のように聞かされてきた言葉。
でも違うんです。あなたは悪くない。
夫婦喧嘩はどこの家にだってあります。でもそこに暴力があるのはおかしいことなのです。
DVやモラハラは本当に治るの?
DVやモラハラを治すことは、不可能ではないです。
しかしすごく難しいことなので、私はほぼ不可能だと思います。
彼らは自分が加害者だということをわかっていません。
人格に障害がある人たちなので、自分は相手にひどいことをしていると気づきながらも、それを認めることができません。
自分が加害者だと気づくことが、精神的に耐えられないのです。
夫のDVが治って、今は幸せに暮らしているというかたをたまに見かけたりします。しかし、これはすごく稀なケースです。
もっと言えば、本当はその夫は元々DVではなかった可能性があります。
もし本当にDVやモラハラを治すのであれば、自分のやっていることを自覚させなければなりません。悪いことをしているという自覚です。
心療内科や精神科に妻が相談に行ったり、夫を連れて行ったりするかたがいらっしゃいますが、夫自身が自覚して治す気持ちがないと、病院に行っても意味がありません。
相手が「自分はどこも悪くない。」と言ってしまえばそれまでなのです。
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DVとモラハラが巻き起こす、負の連鎖
すべての人とは言いきれませんが、高い確率でDVやモラハラの精神が子どもへ受け継がれ、負の連鎖は続いていきます。
親が暴力をふるっている家庭で育つ子どもは、それが当たり前の世界で育つことになります。
将来、その子も暴力をふるう子になってしまうかもしれません。子どものためにも負の連鎖は断ち切りたいですよね。
逃げ出すのは勇気のいることだし簡単ではないけど、私は元夫から逃げることを選びました。
今となっては信じられませんが、今は大嫌いな元夫でも、当時は元夫が家に一人残されることを思うと、かわいそうだという気持ちさえありました。
元夫から気持ちを断ち切ることは簡単ではありませんでした。
考えれば考えるほど、また戻れるかもしれないと思ったこともありました。
でも、暴力をふるう夫の元で、子どもを育てることはできない。子どもを思う気持ちが、私を強くしてくれたのだと思います。
その他にも、子どもから父親を奪ってしまうという罪悪感が襲うかたもいるでしょう。
被害に合っているのは自分だけで子どもには優しい夫だと、余計に罪悪感があると思います。
でも私は、目の前で母親が罵倒されている姿を見ている子どもが、まともに育つとはまったく思えない。負の連鎖はどこかで断ち切らなければいけないのです。
自分の今の状況を客観的に見て、子どものことだけではなく自分のことも考え、冷静な判断をして欲しいです。
まとめ
DVやモラハラを治すことは簡単ではありません。
被害者が原因で起こる暴力ではなく、彼ら自身の問題だからです。その原因も、根っこが深いことがほとんどなので、難易度はかなり高いです。
自分が治すという強い意思がない限り、治すことは不可能なのです。
本当に治したいかたは、更生施設に入るくらい本格的に治療するかたもいます。
彼らの行動を治すという考えは早めに捨てて、自分や子どもの幸せを一番に考えましょう。