「子どものために離婚しない」という言葉、よく聞きますよね。一見子どものためを考えているように聞こえる言葉ですが、私は違うと思っています。
「離婚した両親を持つ、子どもの視点」
子どもの気持ちをわかっているようで、わかっていないことが多いかもしれません。
離婚を選ばないことで、子どもが感じてしまう不幸を少し考えてみませんか?
「子どものために離婚しない」はどこからくる気持ち?
私は離婚を体験しましたが、両親も離婚しているので離婚をした両親を持つ子どもの立場でもあります。
子どもがいる中で離婚を考える親の気持ち、そして離婚をした両親を持つ子どもの気持ちもどちらもわかります。
まず、子どものために離婚をしないという概念はどこからくるのでしょうか?
● 子どもから勝手に父親(母親)を奪うわけにはいかない
● 経済面で育てていける自信がない
● 仮面夫婦でもいいから両親そろっているのが子どものため
● 離婚をしたとき、子どもに持たれる偏見が心配
子どものために離婚を選ばない親は、これらの気持ちが共通して持っています。
しかし、これらが本当に子どもに悪影響なのかというと、決してそうではありません。
安易にこれらのことを考えるのは、危ないです。
「子どものために離婚しない」は、本当に子どものためとは限らない
子どものために離婚をしない理由はいくらでもあるかもしれませんが、それを子どもに押し付けてはいけません。
たしかに、両親が離婚することで子どもが悲しむことは避けられません。
年齢によっては、それなりに傷を負ってしまうでしょう。
それでも、子どものためと理由付けして自分を犠牲にしながら離婚をしないのは卑怯だと思います。
私も両親が離婚していますが、とても仲が悪い夫婦だったので離婚をして当然でした。
母は私のために離婚は避けたいと粘っていましたが、仲の悪い両親に挟まれて生活するのは本当に辛かったです。
「どうして早く離婚しないんだろう…」と子どもながらに疑問だったし、こんな生活が続くくらいなら早く離婚して欲しかったんです。
元々仲が悪かったのであれば私のように思うのは不思議ではありませんが、仲が良い状態で離婚してしまうのはとても辛いはずです。
お父さんもお母さんも大好きなのに、どちらかと暮らすことを選ばなければいけないのは酷でしょう。
子どもが傷ついてしまうことも踏まえたうえで、自分にとっても子どもにとっても幸せになれる選択をよく考えなければいけません。
離婚したからといって離婚後のフォロー次第で子どもから父親(母親)を奪うことにはならないし、経済面も養育費の取り決めを行えばいいし、子どもが偏見の目で見らることは今の時代そんなに気にしなくても大丈夫でしょう。
少なくとも、私は偏見の目で見られていると感じたことはありません。
今気にしていることは本当に離婚したら解決できないことなのか、よく考えてみてください。
どんな選択にせよ、決して離婚の理由を子どもに押し付けることだけはしないようにしましょう。
大切なのは離婚したあと!
DVや虐待などは例外ですが、離婚したあとも両親と子どもが定期的に会えることが望ましいです。
別居親と子どもが会うことを「面会交流」と呼んでいます。
面会交流についてはこちらの記事をご覧ください😊
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そんな正式名称つけなくても元夫婦で連携し合えるのであれば、子どもを会わせることも苦痛なくできるでしょう。
ある程度子どもの年齢が大きいのであれば、自由に会わせているケースも多いです。
しかし円満離婚はそう簡単ではなく、憎みあって離婚する夫婦が多い中で、子どもと別居親との面会交流は大きな課題となります。
そうなると、別居親と監護親との間で子どもにも葛藤を背負わせてしまうことが避けられなくなります。
面会交流は避けられない問題だけに大変ではありますが、なるべく元夫婦間で子どもを板挟みにしないように気をつけるべきではあります。
話し合いだけで無理な場合は、面会交流について取り決めをする「面会交流調停」もありますので、活用してみましょう。
面会交流は、片方だけが努力しても意味がありません。元夫婦と言えども子どもために協力と信頼関係を壊さないようにしなければいけないのです。
とにかく離婚を持つ子どもに大切なことは、離婚後の対応です。
両親は離婚してしまったけど、それぞれ子どものことを大切に思っていること、子どものことでいざこざにならないことなど、離婚後こそ子どもへのフォローがとても大切にしましょう。
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離婚後に子どもに絶対してはいけないこと
一番してしまいがちなことですが、子どもにどちらかの親の悪口を吹き込むこと。これは絶対にやめましょう。
自分にとってどんなに憎い相手であっても子どもにとっては大切な人です。
どちらかの親を批判することは、子どもにとっては自分を否定することに繋がってしまいます。
醜い争いを子どもに見せないようにしてください。
まとめ
子どもにとって親の離婚は辛く、仲がよければよかったほど悲しいものです。
だからと言って、離婚をしないことを子どものせいにして押し付けるのではなく、離婚が避けられないなら離婚後にしっかりフォローできる体制を作ってあげましょう。
親がしっかりフォローしてあげれば、子どもは意外と乗り越えていけるものです。
子どもにとってなにが幸せなのか、今一度考えてみましょう。